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福岡・博多にある【うしお歯科クリニック】です。
以前 歯科関係者ではない知人から、「歯医者は何回も通わないといけないのが嫌」と言われたことがあります。
内科や耳鼻科など、ほかの科は１回で終わることもありますが、歯科は１回で終わることはほぼないと思います。
なぜでしょうか？
いくつかのお口の病気に絞ってご説明していきます。
① むし歯(虫歯)
むし歯で何回も通わないといけない大きな理由は「歯には自然治癒力がない」からです。
身体には、基本的に自然治癒力があり、それを前提に治療が行われます。
しかし、歯はそうではありません。
虫歯で削った歯が自然に元に戻ればいいのですが、残念ながらそれはありません。
ですので、削った部分を人工物で(なるべく)元の形に戻さないといけません。
小さい範囲であれば、プラスチック(コンポジットレジン)などの材料を詰めて、一回で治療が終わる場合もありますが、プラスチックだと強度や成形の観点から広い範囲の対応が難しくなります（口の中できれいな形にするのは案外難しいです）。
広い範囲の場合は、型取りして詰める・被せるということになります。
その場合は技工士さんに作ってもらうことが大半なので、出来上がりを待たないといけないため、複数回になる場合がほとんどです。
➁ 歯周病
歯周病はその名のとおり、「歯」の「周り」の「病気」です。
歯周病は「細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患」なので、細菌を少なくすればいいのですが、この細菌たちが厄介で、薬ではなかなか少なくすることができません。
なぜならば、細菌たちは密集することで「バイオフィルム」とよばれるバリアを作り、薬が効きにくい状態となるからです(排水管のヌメリと同じ状態です)。
ですので、細菌たちの塊を機械的に取っていくことが、現在の歯周病治療の基本的な考え方となっています。
詳細はこちらをご参照ください。
当クリニックでは、歯周病をお部屋の掃除に例えてご説明しています。
お部屋のお掃除も、
・まずは掃除機を使って広い範囲を全体的にお掃除します。
・次に、掃除機では取れない部分の汚れを それぞれの場所に適した道具 を使ってお掃除していきます。
・それでも取りにくい場合は、邪魔になっている家具などを移動させて掃除すると思います。
歯周病の治療も同じで、
・まずは歯茎の上の汚れ(歯垢(プラーク)や歯石)を全体的に取っていきます。基本的に痛くありません。
・次に、取り切れなかった歯茎の中の汚れを 専用の器具 を使って取っていきます。歯茎の中の汚れなので、直接見えないため、手探りで取っていくことになります。歯茎の中を触ると痛いため、麻酔をして取っていくこともあります。
・それでも取り切れずに治りにくい場所は、歯茎をめくって、直接見えるようにして取っていきます(これを歯周外科処置といいます)。
以上のような治療を一日では到底できないため、複数回かかることになります。
③ 歯がないところの治療(ブリッジ・入れ歯・インプラントなど)
これに関しても、歯が新たに萌えてきたり、再生したりは今の医学では困難なため、型取りしたり、仮合わせしたり、と複数回かかってしまいます。
このように、歯医者さんでの治療は「再生しない」「薬が効きにくい」ものを相手にしているため、複数回治療がかかることになるのです。
では、それらを同時進行で複数箇所一気に治療したらダメなのか、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それもなかなか難しいです。
それには大きく二つの理由があります。
❶ 長時間お口を開けておくことが難しい（疲れる）。
❷ 治療は「刺激」でもあり、治療に伴う痛みが出る場合もあるため、複数個所行い、そのすべてに痛みが出た場合の対処が困難になる。
このように、複数回かかってしまう歯科治療ですが、おそらく多くの歯医者さんは
「なるべく通院回数を少なくしてさしあげよう」
と思っていると思います。
時間を作って何度も通院するのは大変ですから。
また、ご自身でのセルフケア・定期的に歯医者さんでのプロフェッショナルケアを行うことで、いい状態が維持できますし、治療が必要になった場合も早期に処置することで回数を減らすこともできます。
ぜひ、「かかりつけ医」を見つけて、早期発見・早期治療が治療回数を減らす一番の方法だと思います。
今後 歯医者さんに行かれる方は、診査・診断・説明も含めて「複数回かかる」と思っていただいたうえで来院されるといいと思います。
博多にある【うしお歯科クリニック】は、「歯科保存」の専門医資格をもつ歯科医師が院長の歯科医院です。
むし歯(虫歯)・歯周病・歯石取り・根管治療の保存治療を中心に、入れ歯・ブリッジ・被せもの・親知らず・歯ぎしり(マウスピース) なども含めた包括的な治療のご提案をさせていただいております。
お口のお悩みがある方はぜひ、当院へご相談ください。